債務整理には種類がある?「任意整理」手続きとは

お金がなくて会社の経営がうまくいかなくなったり、家計を支えられなくなったりしたときは、金融機関から借金することがありますよね。

しかし、借金をしたすべての人が、滞りなくお金を返せるわけではありません。

「金融機関にお金を借りたけど返せなくなってしまった・・」

このようなケースでは、自己破産や個人再生の手続きといった「債務整理」が必要となります。

しかし債務整理には、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。

このページでは、そんな債務整理の種類の1つ「任意整理」についてご紹介します。

債務整理の「任意整理」とは?

任意整理をわかりやすく簡単に説明すると、債権者と交渉を行い、借金を減額してもらう手続きのことを指します。

金融機関からお金を借りる際には、必ず金利が発生しますよね。

この金利が大きなネックとなり、元本がいつになっても減らないといったケースが多いんですよ。

しかし任意整理を行えば、将来的に発生する利息を減らすことが可能となるため、スムーズに借金を返済できる形となります。

ただし、こちらの手続きに関しては、お金を借りている債権者との交渉が必要です。

専門的な知識が要求されるため、債務整理に詳しい弁護士に相談するのが良いでしょう。

任意整理は自己破産と何が違う?

任意整理と自己破産の大きな違いは、債務がなくなるかなくならないかです。

・任意整理 → 債務がなくならない
・自己破産 → 債務がなくなる

上記でもお話ししたように任意整理は、債権者との交渉を行い、スムーズに借金を返済するための手続きです。

一方、自己破産は支払い能力がないと裁判所に認められた場合、債務を免除することができる手続きなんですね。

この2つの違いをみると、債務がなくなる自己破産の方が良いのではないかと考える人がいます。

しかしその考えは、大きな間違いです。

なぜなら、自己破産によって債務がなくなったとしても、「信用情報機関」に情報が登録されます。

これをいわゆるブラックリストと呼びますが、ここに名前が登録されてしまうと、一定期間はあらゆる行動に制限が出てしまうんですね。

例えば、クレジットカードを発行できなくなったり、ローンを組めなくなったりします。

任意整理でも、信用情報機関に情報は登録されてしまいますが、自己破産と比較して登録されている期間が短いです。

「借金総額が200万円以下」等の、債務を減らして返済できる可能性がある人は、ブラックリスト入り期間が短くなる任意整理を検討した方が良いでしょう。

任意整理にはどんなメリット・デメリットがある?

任意整理には、以下のようなメリットとデメリットが存在します。

メリット

任意整理の最大のメリットは、周囲の人に債務整理を行ったのがバレないところです。

自己破産手続きを行った場合、住所や氏名が官報に掲載されてしまいます。

しかし任意整理であれば、友達や会社の同僚はもちろん、家族にも秘密にできる可能性があります。

デメリット

任意整理は、将来的な金利を少なくすることで返済は楽になりますが、借金が大きく減額されるわけではありません。

自己破産等の手続きとは違い、債務といった負担はそのまま残る形となるので、これが大きなデメリットになってしまう人も多いでしょう。

また、先ほどもご紹介した通り、任意整理はブラックリストに登録されてしまいます。

5年間は、クレジットカードの発行が難しくなるといった、不自由な生活が待っていることを覚えておいてください。

まとめ

任意整理は債務整理の中の1つとなりますが、比較的借金が小額の方に適した方法です。

債務が大きい場合は、個人再生や自己破産が必要になる可能性もあるので、自分がどうするべきなのかわからない人は、専門家である弁護士に相談しましょう!